音楽は自由なはずなのに、あるときから心を縛る

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先日、
バンドの音楽ライブを
させていただきました。

その時のお話をします。

 

今回のイベントは
私が主催でした。

4MH
(for music human)

というタイトルです。

 

 

 

このライブを行うにあたって、
言い続けたことがあります。

 

 

 

観客のことを
一回忘れろ!!

 

 

 

私が大好きな映画の一つに
「プラダを着た悪魔」があります。

私の映画ライブラリーの中に
が不動の名作として
刻み込まれています。

その作中のとあるシーンで、
ミランダは
このようなセリフを言います。

 

You can see beyond what people want and what they need
… and you can choose for yourself

人が何を求めて必要としているかを超えて、
あなたは自分のために判断できる。

映画「プラダを着た悪魔」より

 

私は
ここ数年の音楽ライブの現状について
とある疑問がいくつかありました。

 


「観客をたくさん楽しませようとすればするほど
観客との距離が離れていくような感覚があった」

 

 

演者、観客という構図が
どうしても生まれてしまう
音楽ライブ。

観客を楽しませる
という高い意識で
音楽ライブを行うのは
とても大事なことです。

 

観客も
わけのわからない
雑音のような
音楽を聴くために、

・週末の大事な時間を費やし
・2000円程度財布から出し、
・立ちっぱなしで疲れる思いをし、
・耳がキーンとなった状態で、

家路にはつきたくないはず。

 

私の音楽仲間は
音楽ライブをするとき、
必ず、観客が満足するだけの
クオリティで、
イベントを成功させている人たちです。

 

 

しかし、
その観客を楽しませるという
想いが、
時に「圧力」として
観客にのしかっている瞬間を
感じたことがありました。

その圧力は
時には観客の心を縛っているように思えました。

「楽しむ!!」というプレッシャーが強く、
それ以外の選択肢を許してあげない感覚がありました。

そしてそれは、
最終的に演者の心も縛りつけるもの
なるという感覚もあったわけです。

 

 

演者&観客
「楽しいから自然と盛り上がる」

から

演者
「盛り上げなくてはいけない」
観客
「盛り上がらなくてはいけない」

へ変わっていく感覚が、
あったわけです。

 

それなら、
まず、演者は
観客のことを一度忘れ、

演者が心から楽しめる環境を
作り、

それが観客に自然と伝染していく
音楽を作ろうと
心に決めたわけです。

演者が
自分の犠牲を払って
観客を楽しませる環境を作ったとしても、

その犠牲も含めて
すべてが観客に伝わり、
心から音楽を楽しめない
観客を生んでしまうわけです。

そこに
メスを入れたかったわけです。

 

 

大切なのは、
他人を楽しませることに必死で
自分を犠牲にしないこと。

ちゃんと自分のことも考えること。

 

人が求めていることを与えたうえで、
自分のために何ができるかを考えたかったのです。

 

ちなみに
たまに
「自分を大切にしましょう」
と言う人がいますが、

それは、
普段から他人のことも考えている人に
意味がある言葉なので
普段から
自分のことしか考えてない人には
意味のない言葉です。

 

 

 

 


「ライブ = 楽しむ、盛り上がる」

という方程式しか許されない

「ライブあるある」が嫌だった

 

 

音楽というのは、
本来は
色々な人の想いが
たくさんあるものです。

・失恋をしたときの曲
・元気を出したいときの曲
・見返したいときの曲

 

 

そんな音楽を
演奏する人にも
たくさんの想いがあります。

・仕事が忙しくて
 なかなか楽器を触れなかった人

・じつは、音楽やめようと思っていた人

・長くブランクがあって、
 久々に演奏で
 うまくいくか葛藤していた人

・母になり、
 音楽から離れていた人

・求められているものの多さに
 葛藤を繰り返す人

・プロなのに、
 久々の演奏になってしまった人

 

 

 

そして、
それを聴きに来る観客にも
たくさんの想いがあります。

・金曜日、
 仕事で失敗してしまった
 この週末は、元気になれることをしたい

・恋人と別れてしまった。
 でもくよくよせずに、
 ゆっくりやっていこう

・友人がステージに立つ。
 自分も何かやりたい

 

 

 

 

今回のライブイベントの
コンセプトは、

 

for music human

音楽好きのためのイベント

 

でした。

 

そのために
以下のことが禁止されていました。

・CD、物販の販売
・ライブ告知
・MC中の唐突なメンバー紹介
・コール&レスポンス

 

そうしたのには
理由がありました。

 

 

 

音楽がある空間が、
「楽しい、盛り上がる」
だけの感情しか
許されないのが
嫌だったのです。

 

・悲しい想い、
・誰かを見返したい想い
・少しだけ元気になりたいという想い、
・楽しくなりたいという想い、

それぞれの想いがあっていいはず。

 

 

観客は、
流れのままに

 

「盛り上がってるか?」
を問われ
「いえーい!!」と言うか
大きく手を挙げるかしか選択肢がないなんて
おかしい。

 

演者は
演奏の後半になったら、
やたらと宣伝を始める。
それがライブでは当たり前だから。

でもそんなのは
おかしい。

 

当たり前のように
メンバー紹介をし、

当たり前のように、
CDの購入を促す。

 

おかしい

 

 

 

 

今回のイベントでは
34人がステージに上がったわけですが、
その34人のそれぞれの気持ちが、
観客に伝わるなんてことはないです。

 

でも、
少しでも
その人のバックグランドや
どんな想いがあるのかを
音楽を通して伝えたかったわけです。

それだけ、
人は生きてきただけで
大きな力を持っているのです。

そのために、
3時間半というライブ時間は
決して長くはありません。

 

その中で
少しでも
音楽を通じて
人の思いを伝えたい。

そんな大切で
多くの
人の軌跡や
想いを、

 

「盛り上がってますか!?」
「いえーーい!!」

の一言で片づけたくなかったわけです。

 

 

そんな言葉で片づけられるほど、
我々は浅い人生を送っていない。

そこにいるだけで、
パワーがあり、

ただそこにいて、
音楽を演奏し、

真剣な表情をし
時には笑顔みせ、
汗を流したり
目くばせをしたり、
少しだけおしゃべりをしたり、
少しだけ緊張したり、
演奏を失敗したり、

そのすべてを見てほしかったし、
それが、
人が生で
音楽を演奏する
最大の意味だと
思っています。

 

 

 

人の想いは
簡単にはわからない

 

最近の世の中の傾向として

多くの人を理解し
差別なく、
尊重することを
大切にしています。

 

しかし、
人の想いは
簡単にはわかりません。

・見た目が派手でも
 性格がおとなしいこともあります。

・明るい性格でも
 過去、すごくつらい思いを
 したかもしれません。

・あなたに話している本音は
 実は本音じゃないかもしれません

 

簡単に理解できないから
考え続ける必要があり
知り続ける必要があります。

わかったふりをして、
最もらしいことを
相手に伝えるのは

無意識の差別につながります。

 

意図して差別するより、
よっぽどたちの悪い
「無意識の差別」

 

ときには理解などしなくて

その人が何をするか
見守り続けることも大切です。

 

何かを変えたいなら、
人を変えるのではなく、

人を信じ、待つことも
大切なのです。

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